Apple Watchで命拾いしたかもしれない話 – EP0

※以下、心房細動と治療法について触れていますが、これは私が聞き齧った情報です。医療関係者ではないので、誤って認識している可能性があります。また治療に関しては私自身の症状とお世話になった医療機関の例です。症状や医療機関によっては対応が異なる可能性があります。詳しいお話しは専門の病院、医師に相談されることを強くお勧めします。

私の父親は心臓が悪くて、ある日突然倒れました。家系的に同じような症状がでることは十分考えられます。これが杞憂であればいいのですが、その後、杞憂ではなかったことがわかります。

予防対策

予防の意味で心電図機能の付いたApple Watchをつけ始めたのが3年前。当初はApple Watchを買う言い訳が半分、健康面が半分といった理由です。

使い始めて最初の1年は何事もなく過ぎます。ある日、初めてApple Watchにメッセージが表示されます。この時は頻脈のメッセージ。これはお酒を飲んでいたタイミングだったこともあり、それほど気にしていませんでした。(お酒飲むと心拍数上がりますよね?)

その後は何事なく過ぎ、さらに1年後、ある朝起きると「心房細動」の通知が届いています。まったく自覚症状はありません。とはいえ、即日かかりつけの医師へ相談、近くの総合病院を受診する流れになります。

Apple Watch からの警告

Apple Watchは定期的に心拍数をモニターして異常を見つけると警告メッセージを表示します。
Apple Watchには心電図を録る機能がついていますが、この段階ではいわゆる「心電図」としてのデータは記録されていません。心拍数の状態から推測して警告を出すようです。

心電図を録るには、Apple Watch本体を操作して30秒ほど安静にしていると波形が記録されます。つまりちゃんとした心電図を録るには本人が意図的に操作する必要があります。

記録を確認すると深夜3時ごろから5時ごろまで、2時間に渡って症状が出ています。この時点では上記のような理由で警告が記録されるだけで「心電図」としての記録はありません。

病院の検査

病院の検査ではホルタ心電図(つけたまま長期に記録できる心電図)を4週間装着することになります。

ホルタ心電図は腕時計ぐらいの大きさです。(ちょうどApple Watchと同じぐらいの大きさ)
これをテープで固定して生活すること4週間。普段通りの生活ができます。

その後、心電図のデータが解析されて医師の診断です。
結果はというと、症状の兆候はあるが、心房細動の症状は出ていない。心房細動の診断を下すには証拠不十分、経過観察で数ヶ月後に再診ということになりました。

症状確定

その1ヶ月後、Apple Watchに再び心房細動のメッセージが表示されます。やはり自覚症状なし。

さらに1ヶ月後、寝起きに血圧を測ると値が安定しません。血圧を定期的に測っている人はわかると思いますが、多少の変動はあっても値はそれほど変わりません。それが、心拍数が大きくぶれます。動悸のような感じもあります。
Apple Watchを操作して心電図を録ると、まさに「心房細動の兆候」が表示されます。数分して録り直しても同じ。それを何度か繰り返しますが、なかなか治りません。その後2時間ほど症状が続いて、ようやく落ち着きました。

心電図の記録をPDFに出力、印刷して病院を受診。これには症状がハッキリと出ていたらしく、それが決め手で心房細動の診断が確定します。この段階でカテーテルアブレーション手術を提案され、即日、薬の処方が始まります。

心房細動が続くと血液のうっ血で生じた塊が脳梗塞や、心臓そのものの機能低下による心不全などの原因になります。血が塊を作らないよう投薬(いわゆる血液をサララサにする薬)を行います。

そもそも当初は自覚症状がなかったものの、一度認識できてしまうと、不思議なことにその後は自覚することができるようになります。これがなかなか不快でメンタルにきます。かなりのストレスです。

カテーテルアブレーションは心房細動を引き起こす神経を焼灼(やけど)して治療します。この治療で8割は症状が改善、完治します。期間も手術も含め3泊4日の手術です。だいぶカジュアルな治療に思えますが、心臓の手術ですよ、これ。

ここから手術に向けて動き出します。仕事の日程、主治医、手術室の日程を調整して予定が確定します。

手術以外の選択肢は?

人生初の手術に対する不安もあります。薬物による治療など、他の選択肢はないのでしょうか?この点が気になって、担当の先生に伺うと、

  • 症状と年齢を考えると、体力的にいま手術するのが良い。(高齢になると治療が難しくなるケースがある)
  • 早期の治療で効果もでやすい。(症状が進行すると成功率が低下する?)
  • 投薬は一生涯つづく(症状が薬で改善することはない)
  • 逆にやらないのは今後の人生を考えるとチャレンジング

ということで、カテーテルアブレーションがベストの治療法のようです。プロの意見を尊重して手術することに決めました。

つづく


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